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電気工事の配線設計を考える

2022.2.19

今日は『電気の配線設計』について少しお話します。

サロンメンバーさんから勉強になる質問が届きましたのでココで共有したいと思います。

詳しい内容は動画にして「メンバーさんの質問部屋」に保存する予定です。

【質問内容】

1.「IVの許容電流」について

 IVは「1.6mm:27A」「2.0mm:35A」「5.5㎟:49A」「8㎟:61A」です。

 なので、30AのSBに使うケーブルは数値上2.0mmでも良いのではないかと思います。

2.次に「ブレーカー」の動作時間について

 30Aのブレーカーだと、トリップするまでに「31.5A~37.5A以内であれば60分(定格電流の1.25倍)」かかり、

 「37.6A~60Aだと2分(定格電流の2倍)」かかります。(いずれも、30A以下のブレーカーの場合)

 ※定格電流の1.05倍までは動作しない前提。

 仮にその時に流れた電流が「37.5A」であったと想定すると、

 「2.0mm:35A」の線が使われているで、トリップするまでに電線の許容電流オーバー状態を

 60分も続ける事になり加熱するのではないかと考えました。

 (どれだけ熱くなるのかは計算していませんが)

3.ではどの様な電線を使えばいいのか。

 61Aまで耐えられる電線を使うのが正解なのか。それとも49Aまでの電線で良いか?

 

質問、ありがとうございます。

この質問の前にメンバーさんからの「現場で起こった電気の危険映像」からこの質問が出てきました。

気になる方は「みんなの意見の場」でみる事ができます。

それでは本題に戻ってお答えしていきます。

結論、「配線設計」を考えましょう。

まず電気設備を設計していく上で条件がいくつも存在します。

「不平衡負荷の制限」「電圧降下」「周囲温度」「電線許容電流」「ブレーカー選定」「幹線設計」「接地工事」その他・・・。

オール電化を採用すれば「重畳率」を取り入れたり、マンションの電気設計には「需要率」などを考えたりします。

上記のことは僕が頭に浮かんだほんの一部です。

これが「電灯」なのか「動力」なのかでまた違う条件が出てきます。

細かいことを話していくと永遠と続くので簡単に一言。

「電気設計は基本、余裕を持たせる」です。

特に配線の設計をするときは余裕を持たせた設計にしておかないと、電線から発熱して発火事故などに繋がります。

トランス設計なども基本6割の負荷設計になっています。

許容電流だけでなく施工条件も考える

今回の質問のように電線の許容電流だけを見ると施工は出来ません。

例えば質問の中に出てきたIVを見てみましょう。

IVで電気の施工をしていく方法には何が思い浮かぶでしょうか?

露出工事では「ノップ碍子」「金属管工事」「合成樹脂管工事」などです。

IVで「天井転がし配線」はできませんよね。

禁止されています。

ノップ碍子は現在の施工ではほとんど採用されません。

理由はコストが掛かるからです。

おしゃれな空間を演出するときに使われることもあるかもしれません。

他の施工はどうでしょうか?

工場や大きな施設の機械室などには使える施工です。

では住宅では?

不向きですよね。

なので第二種電気工事でもよく出てくる「ケーブル工事」が採用されます。

では、IVを使った施工の話に戻ります。

電気の配線をするときは何本かの電線が必要になります。

第二種電気工事士の技能試験を思い出すとわかりやすいかもしれません。

IV単体の許容電流をみると、1.6mmの場合27Aです。

ですが金属管に3本以下でおさめると「19A」になります。

そして本数が増えればさらに許容電流は下がります。

電気機器は電線一本では使えません。

ちなみにVVFケーブル1.6mm-2Cの許容電流は20Aです。

ケーブルを保護するタメのブレーカー

ブレーカーの使い方は状況に応じて様々です。

ただの開閉器としても使用することがあります。

しかし今回の質問から考えられるのは「ケーブルの保護」です。

ブレーカーの特性はケーブルの設計があっての事です。

まずは「負荷容量」を考え、次に「ケーブルの設計」をして最後に「ブレーカーの選定」をするとわかりやすいかもしれません。

動力に関しては以前話した「動力の設計」を考えます。

最後に電気の設計をするときは様々な状況を考えて、最適なものを選んで設計していきます。

一つの事だけにとらわれることなく、広く見ていくことが大事なことだと思います。

それでは今日も一日、ご安全に!

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